20代からの資産運用でハマりがちな罠と、ハマらないための対策

20代からの資産運用でハマりがちな罠と、ハマらないための対策 【連載】初心者卒業計画
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愚者小路
愚者小路

投資信託ビギナーの方向けの連載記事 第13回です。


連載を通して「右も左も分からない投資信託初心者が自分で投資信託を選び、ポートフォリオ運用を続けられるようになる」ことをゴールとしてナビゲートさせていただきます。
今回は投資信託の枠から少し外れて、20代からの資産運用における注意点を解説します。


私も20代から資産運用始めて、はや十数年。
やっぱり20代であるがゆえの紆余曲折、いっぱいありました。

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20代からの資産運用デビューは素晴らしい決断だ

若いうちから資産運用を志すあなたへ。

仕事に忙殺されるがままの毎日に負けじと変化に向けて舵を切ったことは無条件に賞賛に値します
何もしないで不満と不安をつぶやき続ける人生を選ぶ人もいますからね。

愚者小路
愚者小路

誰もホメなきゃ私がホメる!
あなたは素晴らしい。

20代からの資産運用のメリットを挙げてみましょう。

一つ目は、あまりお金がないので必然的に「小さく始める」ができること。
高齢者にありがちな「退職金でいきなりデカいの始めちゃって悲惨な結末が」の真逆です。

二つ目は、20代からの資産運用で多少失敗しても30代で十分に取返しがつくこと。
いきなり(あなたにとって)100点満点の資産運用が始められることはありません。
今の試行錯誤が30代からの資産運用の糧となれば結果オーライです。

よく「自己投資が優先なのでは」といった反対意見もありますが、そもそも自己投資 or 資産運用の運命の二択ではありません。
自己投資しつつ資産運用。
これが妥当な着地点です。

稼いだお金を全額投入しなきゃならないほど自己投資にお金かかるわけでもないし、自己投資が疎かになるほど資産運用は忙しいものではありません。
(よほど忙しい手段をわざわざ選んだりしない限りね)

しかし20代からの資産運用デビューは素晴らしい決断である反面、若さゆえにハマりやすい罠があるのも事実。
これからその罠と回避策を解説していきます。

20代からの資産運用は罠だらけ?そうさ僕らにゃ知識が必要

罠にかからないための知識っていうのは、リターンを得るための知識ではありません。
ヘタを打って資産運用が頓挫してしまわないための、いわば守りの知識です。
まだ罠にハマってない人も、片足突っ込んでしまってる人も、「罠学」を深めてみましょう。

ついつい投資の流行を追い過ぎる罠

人間、若い時ほど流行に過敏なものです。
年を取るにつれ「人は人、自分は自分」と割り切りができていくものですが、20代はその過渡期であることが多いでしょう。

お笑い・グルメ・ファッションなどどんなジャンルにも流行があるもので、資産運用もまた例外ではありません。
まだまだ流行への感受性の高い20代、そのうえ資産運用デビュー直後の不安な心理も手伝って「みんなが買ってるものなら」と流行の金融商品に飛びついてしまう。
これが罠です。

資産運用において流行を追うことは本人が思っている以上のリスクがあり、お笑い・グルメ・ファッションの流行と同列に捉えることは極めて危険です。

流行に手を伸ばして、掴んだ直後に急落!
あぁ、これは引いてはいけない「ババ」だったんだ・・・
そんなケースは昔から脈々と続いてきました。

昔から繰り返される、流行のババ引きからの敗戦処理
  • 土地の値段はまだまだ上がっていくぞ!まだ買ってないの?皆買ってるよ?
  • ライブドア株はまだまだ上がっていくぞ!まだ買ってないの?皆買ってるよ?
  • 仮想通貨はまだまだ上がっていくぞ!まだ買ってないの?皆買ってるよ?

※それぞれの時代背景は割愛します

愚者小路
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上の例、ババを引いたのが20代とは限らないけど、概ね流行に浮かれた人ではあるでしょうね。

罠にハマらないための対策

資産運用では末期に受け取った流行情報は価値がないどころか身を滅ぼす毒になると知ることです。

その辺、他ジャンルの流行とちょっと違うところですね。
グルメの流行なら、別に流行末期に食べてもおいしいでしょう。
資産運用の流行は、流行末期に食べると大体お腹壊します。

なぜなら情報に疎い人がキャッチした時点で、その情報は完全に相場に織り込まれていて高値圏に達しているからです。
その先は頭打ちからの値下がりが濃厚でしょう。

ついつい流行にすがりたくなる気持ちは分かりますが、資産運用では典型的な後追い&高値掴みになりがちなこと、よく理解して罠にハマらないようにしましょう。

何から何まで自分で切り盛りしたくなる罠

あなたが「資産運用を始めよう!」と決意したのは、やる気に満ち溢れているからです。
しかしやる気に満ち溢れているゆえに、長期投資ではなく短期で利益を積み重ねていくタイプの超アクティブ売買を選んでしまいがちです。
若さゆえのエネルギーと万能感が短期売買に駆り立てるのでしょう。

「ゼロサムゲーム」と呼ばれる短期売買の世界で自分だけがうまく立ち回れると思ってしまうのも、これまたやる気に満ち溢れているから。
宝くじ売り場の行列で誰もが「他の奴らは当たりゃしないけど俺だけ3億」って思ってるのと実はそれほど変わりません。

宝くじ売り場
宝くじ売り場に並ぶ人たちは皆「自分にだけは3億当たる」とでも思っていないと、とても並べやしない の図
(写真は都内某所の宝くじ売り場。撮影:愚者小路)

ほったらかしておける長期投資に微塵も興味を持たずゼロサム沼にズブズブいった結果、日々の相場が気になって

  • 仕事が手につかなくなったり
  • 夜眠れなくなったり
  • メンタルが不安定になったり

なんて可能性が出てくることが、この罠の怖いところです。

罠にハマらないための対策

期待リターンで言えば短期売買はゼロサムで、長期投資はプラスサムだから資産形成には長期投資の方が有利にはたらきやすい

こんな理詰めで腹落ちするほど人間お利口にできていません。
なら一度好きなようにやってみれば良いのです。
幸いにも20代で多少失敗しても、よほどの致命傷でない限り取り返しはつくのですから。

以上を踏まえてご提案したいのは次の二つの枠を用意することです。

  1. 好きなように自分の裁量で売買できる「サンドボックス枠」
  2. 全世界株式のインデックスファンドを買って、その後特に何もしない「ほったらかし枠」

両枠のスケールは違っていても構いません。
サンドボックス枠100万円:ほったらかし枠1万円でもいいのです。
これを最低でも4年間、運用を続けてみてください。
ただし両枠の投資元本はきちんと記録しておいてください。

4年経ったら両枠のパフォーマンスを比較してみましょう。
その時点の評価額÷投資元本でパーセントベースのパフォーマンスが出るのでスケールの違いは関係ありません。

サンドボックス枠にどれだけの手間と時間をかけて、どれぐらいリターンが出たか?
ほったらかし枠と比較して上回ったか、下回ったか?

もしサンドボックス枠が大幅に上回ったら、そのままあなたの裁量で売買を続ければOK。
逆にほったらかし枠が上回るかどちらも同じぐらいだったら、サンドボックス枠の運用が自然とバカバカしく思えるはずです。
なんせイライラピリピリしながら売買した結果、「ほったらかし」にすらかなわなかったのですから。

ポイントは自由にやりつつも、手元に比較対象を持つことです。
比較は人を否応なしに冷静にさせますから。

【補足】なんで4年なの?

上昇相場も下落相場も、大抵の場合4年以内に終わることが多いからです。
相場のアップダウンに十分揉まれたうえでのパフォーマンスを評価するには、最低4年は必要でしょう。

「仕事から脱するための資産運用」に走ってしまう罠

20代、仕事に疲れると、ついつい考えてしまう。
これから40年以上、このしんどさが続くのか。
逃げたい・・・

そうだ、資産運用で一山当ててリタイアだ!

こういった思考に陥る罠にハマると、リスク度外視でリターンだけを皮算用してしまいがちです。
20代で残りの人生を賄えるぐらいの資産を築こうとすると、極限リスクテイクと運が必要になります。

この考え方で資産運用に挑む人が数百人いれば、一人ぐらいは実現できる人が出るかも知れません。
では実現できなかった人はどうなるでしょうか?

ゼロサムゲームのことわりを考えると、極端なプラスを得た一人がいた場合、他の参加者はプラマイゼロで終わることすら難しいでしょう。
実現できなかった人の大半が極限リスクテイクに敗れた程度の損失を負うことになるはずです。

「20代からの資産運用で多少失敗しても30代で取返しがつく」と前述しましたが、この場合「多少の失敗」で済まない可能性が高いでしょう。

加えて、仕事から逃げたい一心で詐欺商材や明らかな投資詐欺に捕食される可能性もあることも、この罠のもう一つの危険性です。

愚者小路
愚者小路

「かつてブラック企業で激務が続き追い詰められていた僕が、この売買ツールで人生変わりました。
今では会社を辞め、毎日ノーストレスで暮らしています」
みたいなストーリー、投資系情報商材のド定番ですもの。

罠にハマらないための対策

下記の資産運用の公式を理解すると、夢の世界から現実に帰ってこられます。

資産運用パフォーマンスの計算式

少ない投資元本と短い投資期間で一気にお金持ちになろうとすると、利回りを極限まで高めないといけません。
当然リスクも極限となり、失敗したら人生が詰んでしまう可能性も内包しています。

お金に関する状況を近視眼的に打開しようとすることの非現実性がお分かりいただけるでしょうか。

では時々耳にするセミリタイア/億り人はどうかというと、純粋に投資元本が多い場合がほとんどです。
投資元本が十分に多ければ、かつ投資期間が十分に長ければ、無理のない程度のリスクテイクでリタイアに手が届くわけです。

さて、その投資元本はどこから出てきたのでしょうか?
相続のような特殊ケースでない限り、仕事による稼ぎが元本の源泉であるはず。

結局のところ、仕事で十分な元本を確保しないと資産形成もセミリタイアも何もないのです。
多くの人にとって、仕事以上に効率的な資金調達手段はないでしょう。
(借金で資金調達とかダメですよ、ゼッタイ)

どうにか仕事から脱しようとするよりも、どうにか続けていけそうな仕事や働き方を模索する方が資産運用するうえでのベターなのです。
コツコツ投資元本を増やしていけるだけでなく、そのコツコツの過程で十分な投資期間を確保できるのですから。

さいごに:20代の資産運用は「試作品」と割り切る

20代からの資産運用における罠とその回避策を解説しました。

私も20代で資産運用デビューした時、こういう罠に片足突っ込んでいたものです。
幸いすぐに軌道修正して現在のスタンスに無事着地できたのですが、罠にハマりっぱなしだったらどうなっていたか考えるとゾッとします。

資産運用を一つの枠組みとして捉えるなら、20代の資産運用は試作品づくりと割り切っていきましょう。
試作品づくりの期間を通して、自分に合った「枠組み」を試行錯誤的に構築していき、30代から本格運用という形を取るのが無理のない流れなのではないかと思います。

愚者小路
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以上、20代からの資産運用におけるちょっとした危機回避のコツでした。

【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは

愚者小路
愚者小路

愚者小路です。


投資をしていることを周りに言うべきか、言わないべきか。
私は言わない方を選択しています。
もし周りの人が全員私と同じ選択をしていたら、投資って案外少数派ではないのかも知れない。

ありがとうございます。

次回もまた見てくださいね。

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