【感想とご紹介】中桐啓貴『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』に学ぶ、シンプル投資のしなやかな強さ

【感想とご紹介】中桐啓貴『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』に学ぶ、シンプル投資のしなやかな強さ 投資関連:外部のオススメ記事・セミナー・書籍
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FPの中桐啓貴氏が以前トウシルで連載されていた「もう投資なんてしない」2019年2月に書籍化されました。

今回はその『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』のご紹介と感想を書かせていただきます。

 

思えば、当ブログで本の感想って初めてかも。


気づいたときには1億円!日本一カンタンな「投資」とお金の本
(中桐啓貴著)

「もう投資なんてしない」がついに書籍になった!「先生」のビジュアルも明らかに!

冒頭で申し上げた通り、楽天証券のオウンドメディア「トウシル」にて連載されていた「もう投資なんてしない」が書籍になりました。

私にとって「もう投資なんてしない」はそれこそ何度も何度も読み返した愛読コンテンツの一つです。
詳しくは下記の記事もご参照ください。

「もう投資なんてしない」を三行でまとめるとこんな話
1.トレードで大ヤケドしたサラリーマン隆一が「先生」と出会う。
2.先生は資本主義や投資家心理など長期投資に必要な知識や心構えを伝授した。
3.最終的に隆一の心に決してブレない、投資の「軸」ができたのだった。

書籍化にあたり『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』とタイトルや構成が全体的に加筆修正されています。

さすがにタイトルが「もう投資なんてしない」では出版社も首を縦に振らないだろうからね。

さておき、Amazonのレビュー評価も高いようで何より。

加えて、連載中は「初老の男性」としか記述のなかった「先生」のビジュアルも明らかとなりました。

『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』表紙

表紙には隆一と先生のイラストが。先生、新橋ではそのカッコが最先端なのですか?の図(撮影:愚者小路)

私が日比谷神社訪れてこんなシャツのオジサンが出てきたら、きびすを返して新橋で飲み直しているかも知れない・・・

本書の「もう投資なんてしない」パートでは日比谷神社の地下に「先生」が住んでいるとされています。
日比谷神社は実在しますし、実を言うと地下への入り口も存在します。
愚者小路の現地取材は下記の記事をどうぞ。

簡単に分類すると本書は下記のような3部構成です。

中桐啓貴著『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』は三部構成
Before「はじめに」一般投資家にとって長期投資がなかなか続かない背景と理由を図解込みで解説する。
本編「もう投資なんてしない」トレードで大損を出したことで相場から退場したサラリーマン隆一が「先生」と出会い、投資の「軸」を身に着けていく話。
After「お金が増える具体的で実践的な方法」投資の原理原則を身に着けた後の具体的なステップについてフォローする。

まずは『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』を通じて「先生」や中桐氏が伝授する「シンプル投資」についてご紹介したうえで、わたくし愚者小路の感想を述べさせていただきます。

ネタバレにならないよう、「この本が何を教えてくれるか」に絞って紹介します。

資産形成を成し遂げるにはどうしたらいい?中桐啓貴氏の提唱するシンプルな答え

【質問】資産形成を成し遂げるにはどうしたらいいの?
【解答】全世界の株式インデックスファンドを長く持ち続ける。

これだけ?えぇ、これだけです。
ネタバレでも中桐氏の独自解釈でも何でもなく、既にインデックス投資をしている方(私も含む)は全員同じ答えにたどり着いています。

長期で保有していればその性質上、資本主義経済の拡大とともに全世界の平均程度のリターンを得られますから、高確率で資産形成を成し遂げられるわけですね。

にも関わらず、なぜ長期投資を実践しないのだろう?
よしんば長期投資のつもりで始めても、なぜわずか数年で長期投資をやめてしまうのだろう?

それは多くの個人投資家が自分の投資に「軸」を持っていないからです。
では「軸」を持つにはどうしたらいい?
そこが『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』の最大のテーマであり、投資の「軸」(原理原則)を見事に伝授してくれます。

結局自分に「軸」がないと短期的な情報ですぐブレちゃうんだね。

簡単なはずの長期分散投資が続かないのもうなずけるよ。

冒頭には「図でわかる!投資のすごい効果」として、ドドーンと一枚絵で解説してくれています。
これから長期投資をしようと考えてる人、長期投資にまだ懐疑的な人をワクワクさせてくれることでしょう。

教えて先生!初心者が投資の「軸」を作るには何が必要なの?

先生は長期投資で資産形成を成し遂げるには多くの知識を腹落ちさせる必要があると説きます。
概要だけ簡単に列挙します。

  • 投資と投機の違いをハッキリさせよう。資産形成を成し遂げるにはどちらが有利かな?
  • 株価が長期的には右肩上がりになるのはどうして?資本主義経済の性質を基に考えてみよう。
  • 相場の一時的なアップダウンはどうして発生するのか?バブル崩壊って予想できる?
  • 投資家心理を理解しよう。どういう時に非合理的な判断をしがちだろうか?
  • リターンだけに目がいってるうちは、まだまだ初心者。リターンより大事なものとは?

概要だけ書くと
「え・・・?なんか難しい話ばっかりじゃない?無理無理!」
と思ってしまいがちな内容ですが、先生にかかれば初心者にもストンと腹落ちするよう易しく解説してくれます
先生と隆一の掛け合いが話の内容を程よく分かりやすくしてくれているのです。

投資の「軸」ができた後、具体的に何をしたらいいか?

追加コンテンツとして、投資の原理原則を学んで「軸」ができた後の話をされています。

概要を挙げるとしたら、下記の「どうやって」に対するフォローです。

  • どうやって投資を始めよう/続けよう?
  • どうやってファンドを選ぼう?
  • どうやって節税口座を選ぼう?
  • どうやって投資プランを考えよう?
  • どうやって信頼できるアドバイザーを探そう?

最後におすすめファンドを10商品挙げて締めくくっています。

愚者小路の感想

ここからは私、愚者小路による『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』の感想を述べさせていただきます。

全体的に構成が見直されることで、より分かりやすくなりました。
本編の「もう投資なんてしない」の部分も各章ごとにコラムで補足があるため、各章をきちんと理解したうえで次へ進めるようになったと思います。

本書の対象はけっこう手広く、多くの潜在ニーズがあると言って良いでしょう。
私が思いつく限り、対象になりそうな人を挙げてみます。

オススメ対象1:投資から遠のいてしまった人

トレードに夢中になってたら暴落局面で大ヤケド、そのまま退場となった隆一のような人です。
退場とはならないまでも、流行りの商品をつかんだ後、絶賛塩漬け中という人も少なくないでしょう。

それこそ「もう投資なんてしない」とばかりに凝り固まった心を先生がほぐしてくれるでしょう。
知識不足で道を見失った方々にとっての「投資の羅針盤」となってほしいところです。

問題があるとすれば、こういった方々に本書の存在をアピールするのは一苦労だということでしょうか。

オススメ対象2:これから投資を始めようとしている人

投資を始めるときって、皆ワクワクドキドキしているものです。

本書の言葉を借りれば「リターンからしか投資を考えていない」状態なのだから、ワクワクドキドキしているのも仕方ないと言えましょう。

ワクワクドキドキしている人に冷や水をぶっかけるようではありますが、一度冷静になったうえで投資を始めることができれば、今後たどるであろう遠回りや紆余曲折を大幅ショートカットさせられるのではないでしょうか。

余計な遠回りを避けるというのは、それだけ機会損失を回避することにもつながります。

私も最初に読んだ本がコレだったらなぁ・・・

オススメ対象3:現在「投資迷子」になっている人

今、遠回りの真っ最中で、自分の投資スタンスや今後目指すべき形が思い描けなくなってる人は少なくありません。
色んなノウハウ本・トレンド・ニュースに翻弄されて、自分の立ち位置すら見いだせない人にオススメです。

「投資迷子」に陥ってる人は、複雑にあれこれ手を加えたり色んな情報を見聞きすることで自分のリターン向上につながると思いがちです。

私にもそういう時期がありました。

思考を切り替えて、シンプル投資へ舵を切るためにはうってつけの教本だと言って良いでしょう。

多くの人にとって、本書は「投資の羅針盤」として実に有用なのではないか。
私はそう確信しました。

長期投資はシンプルでなければ成立しない

本書の中で結論に至った投資方法は非常にシンプルなものです。
「全世界株式のインデックスファンドを長期保有する」なんて、一行で書けますから。

しかし結局はシンプルに帰結するというのは、思考をきちんと一周させないとたどり着けない答えだと思います。
シンプル投資の持つ強さを受け入れるには「なぜなら」に根差した知識が必要とされるからです。

シンプル投資には「しなやかな強さ」があります。
どんなに強い風に吹かれても決して折れない竹のような、そんな強さです。

竹

シンプル投資が絶対的真理とまでは言いませんが、あらゆる場面でそれなりのパフォーマンスを期待し続けることができるでしょう。

一方、難しい投資理論に基づいた複雑な投資法は剛直です。
どんなに削っても傷ひとつ付かないダイヤモンドのような、そんな強さです。

ダイヤモンド

しかしダイヤモンドは衝撃に弱く、ハンマーで強く打ち付けると粉々になってしまいます。
剛直って、こういうことです。

複雑な投資法が輝く局面はたくさんあるでしょう。
反面、複雑な投資法でかえってパフォーマンスを下げてしまう局面も同じぐらいあるでしょう。

これから数十年スパンで投資を考えるなら、常にそれなりのパフォーマンスをあげられるだけでなく、これからも概ね効果的であることが期待できるシンプル投資を採用したいものです。

シンプル投資は総じて、マーケットのプリミティブ(根源的)な部分に基づいていることが多く、市場動向がどうあろうと簡単には折れないのです。

複雑な投資法もうまくいってる分には問題ないのですが、マーケットの風向きが変わった途端、急に通用しなくなることがあります。
そのショックで投資をやめてしまっては元も子もありません。

投資ブログ見てると、そういうパターンでひっそり姿を消す人けっこういます・・・

長期で付き合う投資だからこそ、シンプルに。
長期で付き合う投資だからこそ、最小限の労力で。
ダイヤモンドは砕けても、シンプル投資は砕けない。

人生のお供にはそういった投資が好ましいのです。

本書を通してしなやかで強いシンプル投資を身に着けるだけでなく、時々読み返して自分の投資スタンスを再確認をすることもできます。
そういう意味ではずっと読める本と言えましょう。

『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』はまさに「長期投資のバイブル」です。

まとめ

中桐啓貴著『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』の感想を交えてご紹介させていただきました。

トウシル連載時よりも内容が洗練され、長期投資のバイブルとしての色合いがより強くなったというのが率直な感想です。
書籍化しただけの価値は大いにあったと思います。

私は実際の本を読ませていただきましたが、kindle版でも手軽に読めそうです。
文字や内容がゆったり書かれているため、スマホのような小さい画面でも窮屈に感じることはありませんでした。
※kindle版サンプルを読んだうえでの感想です。

この本はぜひ長期スパンでコンスタントに売れ続けてほしいですね。
長期投資家が数十年スパンで投資に臨むように、増版/改訂を繰り返しながら数十年スパンで存続してくれたら素敵なことだなと思います。

改訂するたび、先生のシャツをより珍奇な柄にしていくっていうのはどうでしょう。

先生のシャツ

・・・内容的な完成度がじゅうぶんに高いので、こんな要望しか出せなくて申し訳ないです。

本書は少なくとも10年後にも遜色なく読める内容です。
優れた内容の長期投資本は錆びないし、色あせません。

『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』を少しでも後押しできるよう。
一人でも多くの人とシェアできるよう。
微力ながらプッシュさせていただきました。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは

愚者小路です。

 

この国ではまだまだ投資に関する理解は進んでいませんが、特に年配者との認識ギャップが大きいですよね。

投資インフラの発達により「お金にまつわる選択肢」が増えたことも、その認識ギャップを広げている原因なのかも知れません。

ありがとうございます。

次回もまた見てくださいね。

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