「投資にはリスクがある」という考え自体は正しいけど、投資をしない理由としては正しくない
投資を始めていない人(そもそも投資のニーズのない大金持ちを除く)に投資をしない理由を聞くと「だって投資にはリスクがあるから」という答えが多いです。
投資のリスクを警戒するという姿勢は実に健全だし、正しい認識だと思います。
リスク意識が欠如していて、いきなりアツいの始めちゃうよりは100倍マシです。
ただし「リスクがあるから投資をしないべき」とまで結論付けてしまうことには反対です。
そもそも投資だってただリスクが高いだけじゃなく、きちんとリスクを制御する方法だってあるのです。
それどころか投資は人生におけるリスクを管理する一手段であると私は考えています。
どういうことなのか順を追って解説していきましょう。
投資の世界では「リスクを以てリスクを制す」という考え方をする
価格変動リスクや為替リスク、倒産リスクなど投資におけるリスクは多岐に渡り、多くの投資家はリスク管理と向かい合っています。
取りすぎていないだろうか?
方法はないだろうか?
投資家って実はリスクを取っている割に、リスクに対して傍目には「臆病」とも取れる慎重な考え方を持っているのです。
そんなリスクに敏感な投資家に共通するキーワードは「分散」。
色んな国(ひいては色んな通貨)に分散投資を心がけています。
たとえば日本の国内株式に一点張りしていたら、国内の相場だけが冷え込んだ時に大打撃を受けてしまいます。
逆に海外の相場だけが上昇した時にリターンを取りっぱぐれてしまいます。
国内株式・先進国株式(日本以外)・新興国株式それぞれ持っておけば、どれか1種類が暴落しても被害は限定的です。
それぞれ値動きの仕方がやや異なりますからね。
でも世界中の株式相場が丸ごと下落したら?
そんな不安があったら、債券を持つのです。国内債券・先進国債券(日本以外)・新興国債券も併せ持つのです。
株式全体が暴落しても債券部分は無事どころか少し値上がりしている可能性だってあります。
株式と債券は値動きの仕方がかなり異なりますからね。
以上を踏まえたリスク管理のセオリーはたった2つ。
- 値動きの異なるものを併せ持つ。
- 分散を心がけ、一点張りを避ける。
「リスクを以てリスクを制す」の精神なのですよ。
実はこの「リスクを以てリスクを制す」というリスク管理のセオリーは投資だけに当てはまる話ではありません。
人生そのもののリスク管理にも大きく役立つ話だというのが、当記事のキモです。
どういうことなのか、次で詳しく解説します。
収入を得る手段が「給料」に一極集中している状態は「仕事リスク」が高いと言える
投資をしていない人の多くは仕事の稼ぎ、いわゆるお給料でのみ収入を得ています。
これって先ほどのリスク分散の話にのっとって考えると、仕事に一点張りしている状態です。
誰もが普通にやっている仕事も実は投資と同じくリスクテイク(リスクを取ること)なのです。
こういったリスクを乗り越えてお給料というリターンを得ている、と考えると投資をしていない状態も必ずしもノーリスクとは言えません。
「リスクがあるから投資やらない」という人は多くても
「リスクがあるから仕事しない」という人は少数派だよね
お仕事100%の状態だと、色んな事情で仕事がうまくいかなくなった時に収入に与える影響も100%です。
こういう時に困ってしまわないよう、「仕事リスク」過多の状態は何らかの手を打って改善したいところです。
ちょっとだけ閑話休題。
昔は終身雇用や年功序列という慣習があったおかげでこういった「仕事リスク」は今より幾分低かったんです。
同時に投資を取り巻く環境は今よりずっと不便で非効率なものだったので「投資リスク」は今より格段に高かったわけです。
そういう時代だったら、投資しないで仕事一筋というのがリスク管理上最も合理的だったのですが、今はもうそういう時代ではありません。
昔の人ほど投資に否定的なスタンスを取りがちなのはこういう時代背景があったからでしょう。
では「仕事リスク」過多の状態を改善するにはどうしたらいいの?
お仕事100%状態のリスクを改善するには仕事とは別に独立した収入ゲット手段を組み込めば良いのです。
仕事からの給料が順調な時も不調な時も関係ない手段が好ましいでしょう。
ウチは投資ブログなのでその手段として真っ先に「投資」を挙げさせていただきますが、他に心当たりがあれば副業でも何でも構いません。
収入を得る手段が複数あれば、それだけ人生そのもののリスクを軽減させる力がある、そう考えることができます。
先ほど解説した「国内株式だけじゃ一点張りになってしまうから他の国の株式も組み入れよう」という理屈と同じです。
言い換えれば「給料だけじゃ一点張りになってしまうから投資(or副業)も組み入れよう」というわけです。
もちろん給料だけの一点張りを回避するためなので、投資への関心が高まり過ぎて「投資100%」になってしまうのもリスク管理上はオススメしません。
いわゆる「仕事を辞めて専業トレーダーになりました!」的な立ち位置のことです。
「仕事」の脇にそっと「投資」を置いておく。
それぐらいのバランス感覚が大事だと、私は思います。
仕事リスクを軽減させるには仕事以外にどういう収入ゲット手段を組み込めば良いか
給料以外に収入をゲットする手段として投資や副業が挙げられる、と私は「ざっくり」お話いたしました。
一口に投資とか副業とか言っても実に幅広いので、組み込むにふさわしいかを評価するポイントを3つ挙げてみます。
期待リターンがプラスのもの
投資のように10年20年と取り組んだ時にプラスになっている確率が高いものが好ましいです。
もちろん投資はプラスもあればマイナスもある、山あり谷ありの道のりでしょうが、平均リターンで言えば概ねプラスです。
(きちんと分散投資を長期をやっていれば、の話ですよ!)
副業もコスト負けさえなければ程度の差はあれ期待リターンはプラスでしょう。
では期待リターンがマイナスのものは・・・?
いくつか例を挙げてみます。
【デイトレードなどの短期トレーディング】
⇒市場参加者同士で損得を食い合うだけの構図なので一般的には「ゼロサムゲーム」と呼ばれます。
ひいき目に見れば期待リターンはゼロ。手数料とか考えると、期待リターンは微マイナスといったところでしょう。
【パチンコ、競馬などのギャンブル】
⇒こちらも「ゼロサムゲーム」の構造です。ギャンブルを打つ人同士で損得を食い合っているだけです。
ただし胴元(パチンコ屋とか)の取り分が大きいため期待リターンは大きくマイナスです。
【宝くじ】
⇒宝くじの期待値はおよそ50%というのは有名な話です。販売コストや胴元(宝くじを発行してるところ)の取り分があまりにも大きいです。
前述のギャンブルよりもさらに期待リターンは低く、およそ-50%と概算できます。
私見で恐縮ですが、こういった期待リターンがマイナスの手段で資産形成したり収入を得ることは現実味が薄いと言わざるを得ません。
仕事との関連性が低いもの
仕事が順調でも不調でも独自路線でやっていける手段が好ましいです。
投資がその最たるもので、ご自身の勤める会社やご自身の仕事状況がどうなろうと関係なく市場は動き続けます。
副業だってそう。本業の状況が良くない時には副業の稼ぎがあることで精神的に救われることでしょう。
では逆に仕事との関連性が高いものは・・・?
最たるものを挙げると、自社株です。
自社株自体は投資の一つのジャンルではあるのですが、他の投資とは毛色が違います。
たとえばご自身の勤める会社が倒産なんてした日には、お給料がゼロになり自社株の価値もゼロになるというダブルパンチに見舞われてしまいます。
仕事に一点張りの状態を改善するのなら、投資はもっとご自身から離れたところにしましょう。
仕事に支障をきたさず、無理なく続けられるもの
投資にしても副業にしても、本業の稼ぎはそうそう超えられません。
さらに本業と違って、すぐに成果の出るものばかりでもないでしょう。
ですから今されている仕事に支障をきたさない範囲でコツコツ続けられることが大前提と言えます。
「金融商品買ったら、ずっと保有するだけ」のようなスタイルの長期投資なら大して労力も必要としないため、今されている仕事への影響はほぼゼロと言えるでしょう。
まとめ
投資には確かにリスクがあります。
しかし投資をしなければノーリスクというわけではありません。
仕事に一点張りという状態もまた一つのリスクであり、仕事の風向きが悪くなった時そのリスクが一気に顕在化してしまいます。
あるリスクを抑えるには性質の異なる他のリスクを同居させることで全体のリスクを軽減させられるということを解説いたしました。
リスクに立ち向かう武器もまたリスクなのだと理解すれば、投資は「やみくもに忌避すべきもの」ではなくなることでしょう。
リスクを避けようとすることが常に最善とは限りません。
ご自身が人生で抱えているリスクを俯瞰して、「効率的にリスクを取っていく」という考えがあっても良いかと私は考えます。
【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは
愚者小路です。
投信ブロガーは節約に詳しい人が多く、格安スマホについて言及された記事も多いです。
私はそんな投信ブロガーの端っこにいながら、相変わらずdocomoです・・・
格安スマホに踏み切っていなのにはそれなりの理由があるんですよ。
ありがとうございます。
次回もまた見てくださいね。
応援していただくとより多くの方にご覧いただけるし、投稿モチベーションも上がります。
↑いつもランキング向上にご協力ありがとうございます!
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
・・・なんて機能はないけれど、本件と関連が深い記事です。
もう1ページ、いかがですか?
コメント