ロボアドバイザーのデメリットを完全ネタバレ!初心者狩りに遭う前に。

コスト負け必至?ロボアドバイザー運用のデメリットをネタバレ!初心者狩りに遭う前に。(初心者卒業計画 第2回) 【連載】初心者卒業計画
この記事は約15分で読めます。

投資信託ビギナーの方向けの連載記事 第2回です。

 

連載を通して「右も左も分からない投資信託初心者が自分で投資信託を選べるようになる」ことをゴールとしてナビゲートさせていただきます。

 

今回はロボアドバイザー運用についてのネタバレでございます。

「ロボアドバイザーは初心者向け」なんて情報を鵜呑みになさらないように。
※今回は400字ではありません。

この記事はこういう方に向いています

1.「自分でどういうファンドを選んでいいか分からないのでロボアドバイザーに任せようかな」と気持ちが傾きかけている方

2.金融機関や他ブログで言われる「ロボアドバイザーは初心者向け」という情報を信じかけている方

3.ちゃんとした所に一任すれば素晴らしい運用をしてくれるのではないかと思いかけている方

※当記事で使用する「ロボアドバイザー」「ロボアド」は、ポートフォリオのアドバイスだけでなく買付/リバランスまで丸ごと実行してくれる「投資一任型」「運用一任型」のサービスを指します。

具体的にはウェルスナビとかtheo、その他同様のサービスを指すとご理解ください。

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【重要】当記事で取り上げるのは、ロボアドバイザー特有のデメリット

ロボアドバイザーはいくつかの質問によって顧客に最適なポートフォリオ(各商品の配分)を決定し、買い付けからメンテナンスまで一貫した管理をしてくれるサービスです。

ロボが購入するのは投資信託と呼ばれるパック商品です。
※ETFっていうのは投資信託の一種のため、当記事では細かく分類はしません。全部「投資信託」で一括りにします。

ロボアドバイザーを利用するというのは、ロボアドバイザーを通して投資信託を買付/管理しているというだけなのです。
一般的なつみたて投資家(私も含む)はロボアドバイザーを通さず、証券会社の口座で直接投資信託を買い付けています。

実は両者でやってることは変わらないんだ。

当記事で比較するのは

  • もしあなたがロボアドバイザーで投資信託の買付/管理を一任したら?
  • もしあなたが自分で投資信託の買付/管理をしたら?

この両者です。

両者を比べた結果、ロボアドバイザーを選ぶことには3つのデメリットがあるというのが当記事のテーマです。

こういう限りなく同等な条件で比較しないと、ロボアドバイザーの本質的なデメリットは分からないんだ。

 

「元本割れの可能性がある」「短期では儲からない」みたいのは投資信託共通のデメリットなので、さもロボアドバイザー特有のデメリットであるかのように伝えるのは不適切ですらあります。

※投資信託自体のデメリットは下記の記事をご参照ください。

では前提がハッキリしたところで、ロボアドバイザー特有のデメリットを一緒に追っていきましょう。

デメリット1:提案されたポートフォリオに「なぜ」がない

ほうほう、ロボアドバイザーは6つの質問(下図)で私に合ったポートフォリオを提案してくれるのね。
どれどれ・・・

ウェルスナビのリスク許容度算出

資産運用に関する簡単な質問。これらを基にリスク許容度を算出しています の図(画面はウェルスナビより)

私のリスク許容度は5/5で、ポートフォリオはこれか・・・(下図)

ウェルスナビのリスク許容度5

このポートフォリオが粗悪なわけじゃないんだけどね・・・の図(画面はウェルスナビより)

いや、よく分散されたポートフォリオだとは思うけどさ。
・・・なんで?

「なぜ」このポートフォリオになったのか?という疑問に対する回答や説明が一切ありません

たとえば私が浮かんだ疑問を列挙しますと・・・

  • なんで債券が米国しかないの?
  • 金ってポートフォリオに必要?少なくとも私は必要としないから、これ除外できない?
  • 不動産のIYRって米国不動産のETFだよね。もうちょっと世界に分散させてくれないの?
  • 米国のアセットクラスが多いのは理由あるの?それとも単に中の人の好み?

右も左も分からないうちは「ロボがそう言ってるなら、これでいいんでしょ」とばかりに納得してしまいそうですが、そうやって受け止められるのは最初だけです。

運用を長く続けていくと、どこかで必ず暴落局面がやってきます。
分散されたポートフォリオであっても、年間3割ぐらいダウンすることもあるでしょう。

その時初めて「このポートフォリオで本当に良かったのか?このままこのポートフォリオを続けて良いのか?」を疑問視するのです。
(逆に好調時はポートフォリオに疑問を抱くことなんてないでしょう)

人は暴落局面などピンチが訪れると、決まって何かのせいにしたがります。何かのせいにする事で、心の安息を求めるのです。

ではその状況で何のせいにするかというと・・・もちろん、根拠なく提案されたポートフォリオですね。

だまされた!こんなポートフォリオを信じたばっかりに大損だ!
もう解約してやる!投資なんて二度とやるか!

ってね。
悲しいかな、人というのは根拠のないものや理由のないものをどんな苦難に遭っても闇雲に信じ続けるなんて出来やしないのです。

安易に受け入れた人ほど、手のひらは返りやすいです。なぜなら、信じ続ける根拠もないから

ロボアドバイザーが出回り始めてまだ2年前後。(2018/12時点)
その間、幸いにも暴落局面がなかったから何も表面化していませんが、もしこれから暴落が来たら「信じた俺がバカだった」的な罵詈雑言が溢れかえることでしょう。

そのポートフォリオを受け入れたのは自分自身だということを棚に上げて。

これから市場に幾度となくやってくる大きなアップダウン。
暴落を避ける事はできないでしょうし、暴落局面でも絶対マイナスにならないポートフォリオなんて作れっこないでしょう。

大きな下落が来た時に混乱せず、狼狽せず、逃亡せず、保有を続け長期投資を成し遂げるにはポートフォリオに対する納得が必要です。
もちろん「ポートフォリオ運用とは何か」をしっかり理解しない事には納得も何もありません。

なぜこのポートフォリオにしたのか?
さらっと答えられる程度に納得してください。

その納得こそ、下落局面を乗り越え、10年20年と長期投資を続けていく力になりますから。

知識がなくても「開始」できる、というのがロボアドバイザーの売りだけど、知識がないと市場のアップダウンに耐えられなくなってすぐ放り出してしまうんだ。

 

結局、最低限の知識はないと肝心の「継続」ができないのさ。

デメリット2:最強の節税口座であるつみたてNISAやiDeCoに対応していない

当記事では詳細には触れませんが、つみたてNISAとiDeCoが現在最強の節税口座です。
どちらも特定口座よりも優先して利用すべき口座と言っていいでしょう。
※ロボアドバイザーの運用口座は特定口座にあたります。

しかし、ロボアドバイザーではつみたてNISAとiDeCoに対応できません。

ロボアドとつみたてNISAとiDeCo

つみたてNISAとiDeCoはサービス提供者から見れば面倒くさくて儲けが少ないので乗り気じゃないようです の図

一部例外もありますが、まだまだ「対応できていない」と言って差し支えない状況です。

「ポートフォリオなんて自分で作れないから」でロボアドバイザーに任せてしまった方は、つみたてNISAやiDeCoでどんな商品を選ぶのでしょうか。
ポートフォリオとは、特定口座・NISA口座・iDeCo口座全てをひっくるめたものなのです。

特定口座しかなかった頃は楽だったねぇ・・・

たとえばロボアドバイザーでリスク許容度の低い(株式割合の低い)ポートフォリオを組んだとしましょう。

それとは別に、他のNISA口座・iDeCo口座で株式ファンドだけを積み立てていたらどうなるでしょうか。

特定口座、つみたてNISA、iDeCoにおけるポートフォリオ

特定口座、つみたてNISA、iDeCo、全ての合計でようやくポートフォリオが把握できるのです の図

当然、上図の通り3口座全体の株式割合が(ひいてはリスクが)高くなります。せっかくロボアドバイザーでリスク許容度低めにしてもパァです。

つまり、3口座のうちの特定口座分でしかポートフォリオを作ってくれないロボアドバイザーは正直とても使い勝手の悪いものなのです。
特定口座だけフォローしてNISA口座・iDeCo口座がメチャクチャでは「頭隠して尻隠さず」です。

3口座できちんとポートフォリオ運用するには「3口座トータルで株式がこれぐらい、債券がこれぐらい」と全体を把握する必要があります。

結局、自分でポートフォリオを組めなければ、かえって全体の把握や管理ができなくなってしまうのです。

どれが、どこに、どれぐらいあるか。
ロボアドバイザーに任せたり、その時の気分や流行で金融商品買って放ってあると、そういうことが分からなくなります。

結果、全体でどれぐらいリスクを追っているか分からない「ゴミ屋敷ポートフォリオ」になってしまいます。

全ては適切なリスク管理のため。
リスクの把握・管理なくして長期投資は成立しないということをどうかご認識ください。

デメリット3:ロボアドバイザー運用はコストが高い分だけ、素人運用にすら勝ちにくい

国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券・・・etc。
様々なアセットクラスを組み合わせたポートフォリオ運用というのは、プロも素人もそれほど成績が変わりません

以前、ウェルスナビのリスク許容度1~5のリターン、リスク、シャープレシオを概算してみたことがあります。
(その時の記事は下記参照)

比較として
ウェルスナビのリスク許容度5私のポートフォリオ
を並べてみましょう。

ウェルスナビのリスク許容度5と愚者小路ポートフォリオ

ウェルスナビのリスク許容度5 対 私のポートフォリオ。どちらが良い成績残すかな? の図(リスクとリターンはmyINDEXで作成)

解説
リターンとは年間のリターンの平均値
リスクとはリターンのブレ幅の大きさ
シャープレシオとはリターン÷リスク(リスク効率の良さを表す)
※数値が高いほど良い

株式の割合、リターン、リスク、シャープレシオ、いずれも大して変わらないでしょう?
(ウェルスナビの方はアセットクラスを置き換えた模倣版であることをご了承ください)

ズバ抜けて優れたポートフォリオ作ってくれるワケじゃないんだねぇ。

ではウェルスナビと私が「よーいドン」で運用を始めたら、10年後どうなっているでしょうか?
※元本・つみたて金額は同じとします。
  1. ウェルスナビが勝つ。
  2. ほぼ同じぐらい。引き分け。
  3. 私が勝つ。

ポートフォリオに微妙な違いがあるので絶対はありませんが、9割方「3.私が勝つ」でしょう。

なぜならウェルスナビには年間1%の運用コストが発生します。

ウェルスナビの運用手数料

ウェルスナビの運用手数料 の図(画面はウェルスナビより)

ウェルスナビ運用の実際のリターンは先程お見せした数値の1%下、およそ5.9%となります。

名目リターンとコストと実質リターン

名目リターンからコストを引くと、実質リターンが出てくるぞ の図

もしウェルスナビが私に勝とうとしたら、リスク据え置きでリターンを1%以上増やさなければなりません

そんな夢のようなポートフォリオはないでしょうし、百歩譲ってあったとしたら、私がその「夢のポートフォリオ」を丸パクリしますので、コスト1%分だけ私は優位に立ち続けます

運用予想図

年1%優位に立ち続けると30年後には30%も差が出ているかも の図(画面はウェルスナビより)

これは私だからではありません。
あなたがやっても、同じことになります

物の本によると、プロが作ったポートフォリオと猿がダーツで選んだポートフォリオ、両者の成績に大差はなかったそうです。
(参考記事は楽天証券「トウシル」より)

だから、私は自分でポートフォリオ運用をすることを強くおすすめします。
ポートフォリオ管理にコストがかからない、それだけで圧倒的に有利だからです。

余談ですが以前つみたてNISAフェスティバル2019に参加したとき、ある登壇者がロボアドバイザーの高すぎるコストと合理性のなさに対し「ボロアドバイザー」と評していました。
私は心の中でスタンディングオベーションしてました。

あなたの運用はロボアドバイザーより強い。
「よく分からないから」「面倒くさそうだから」で安易に丸め込まれてしまうのはもったいない。
私はそう思います。

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どうしても出来合いのポートフォリオに惹かれる場合は低コストのバランスファンドにするか、自分で模倣するか

ロボアドバイザーは一見するとあなたに合ったポートフォリオを作ってくれているように見えますが、そんな事はありません。
そこまでオーダーメイド要素の高いものではないのです。

たとえばウェルスナビ。
提案してくれるポートフォリオはリスク許容度に応じた5種類のみ
(5種類の詳細は下記記事を参照)

たった5種類の「型」からあなたのリスク許容度に最も近いものを提示しているだけのことです。

たとえば服を買いに行ったら店員さんが「お客様ですと・・・Mサイズですね」って言ってくれる程度のものです。

S、M、L、LL、XL。ちょうど5種類だ。

そんなざっくりした区分けなら、自分でもわかりますって。

このように、ある程度「型」が決まったポートフォリオを提供しているのは何もロボアドバイザーだけではありません。
バランスファンドと呼ばれるファンドは株式や債券などを組み合わせ、ロボアドバイザーと同じようにポートフォリオとして販売しています。

こちらの例は世界経済インデックスファンド。

世界経済インデックスファンドの構成図

世界経済インデックスファンドの構成図(三井住友トラストアセットマネジメントより引用)

日本、先進国、新興国をGDPの割合を基に組み合わせたファンドなのですが、リスク許容度に応じた兄弟ファンドがあります。

世界経済インデックスファンド(債券シフト型)の構成図

世界経済インデックスファンド(債券シフト型)の構成図(三井住友トラストアセットマネジメントより引用)

世界経済インデックスファンド(株式シフト型)の構成図

世界経済インデックスファンド(株式シフト型)の構成図(三井住友トラストアセットマネジメントより引用)

色々探してみると、あなたに合った「型」が見つかるかも知れません。

コスト面で言えば、自分で組み合わせるより若干高くはつきます。
信託報酬ベースで年0.5~0.6%前後はかかりますが、ロボアドバイザーよりは安上がりですね。

さらに!考えを一歩進めることもできます。
ロボアドバイザーの提案した型や既存のバランスファンドの型がジャストフィットした場合、そっくりそのままポートフォリオだけ拝借してしまうのです。

自力でコストの安いファンドを買い集めて同様のポートフォリオを作り上げてしまえば、コストは大幅に削減できます

実は私も、グッときたバランスファンドのポートフォリオそっくりに自力で構築しています。
バランスファンドに任せていたら年0.6%ほどの信託報酬がかかるところをおよそ年0.16%まで下げることに成功しています。

かかるコストや運用の柔軟性で言えば、自分でポートフォリオを作るのが圧倒的ベストと言えます。

ポートフォリオ運用のベスト/ベター/???
ベスト自分でポートフォリオを作る
ベター低コストのバランスファンド
太っ腹な人専用高コストのバランスファンド
ロボアドバイザー運用

残念ながら、ロボアドバイザー運用は現在のコスト水準ではベターにも及びません。

自分で出来る事は自分でやる。
浮いたコストの分だけ、あなたは勝ちやすく儲けやすくなるということをどうか忘れないでいて下さい。

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最後に 初心者狩りを回避するには

愚者小路家家訓

愚者小路家家訓 一緒にご唱和ください の図


「投資なんて難しいですからね。お客様は分からないままでいいんですよぉ。」
「難しいことは私どもが全てやって差し上げますからねぇ。」
「私どもにお任せいただければ、何もしないで儲けられるんですよぉ。」

とばかりに初心者に向け甘い言葉で猛威を振るう、まさに初心者狩りがあちこちで横行しています。

そんな初心者狩りを生業とするサービス提供者/金融機関にも一つ致命的な弱点があります。
それは、物の分からない人しか捕食できない、という事です。
いち早く金融リテラシーを身に着けて、彼らの手の届かないところでのびのび資産運用に取り組んでください。

初心者が最初にやるべきことは「初心者向けと言われる商品に手を伸ばすこと」ではありません。

「手を伸ばしかけた商品の内容をきちんと理解すること」です。

 

きちんと理解すると、大抵の「初心者向け商品」が実は「情報弱者向け商品」だったと気づき、慌てて手を引っ込められるようになるでしょう。

コストは明確なマイナスリターンです。
せっかくあなたがリスク背負って得たリターンにサービス提供者が「コストとして一口ちょうだい」とばかりにバックリかじられては「長期投資を成し遂げる」というあなたのゴールはどんどん遠のいていきます。

コストとリスクをあなたの意思でしっかり管理することが、長期投資を成し遂げるための最短ルートです。

安易にロボアドバイザーに判断を委ねて、遠回りすることがないよう祈っています。

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【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは

次もウェルスナビきっかけで気付いた話です。
調べれば調べるほど話の種が噴出してもう大変!

ありがとうございます。

次回もまた見てくださいね。

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