今日のテーマは会社員が週末に登録制バイトをやるのはアリかナシか。
登録制バイトは派遣会社に登録して、その日だけスポットで働くっていうスタイルなので会社員の週末副業の選択肢の一つになり得ます。
ただしメリット/デメリットや向き不向きを考えたうえでの選択が好ましいでしょう。
当記事ではワタクシ愚者小路が登録制バイト経験者として考察を述べさせていただきます。
皆様の検討/選択の一助になれば幸いです。
※情報量が多いためいつもの400字では収まりませんでした。
はじめに:週末バイトを必要とする会社員は意外と多い
働き方改革の一環として厚生労働省も副業・兼業を推し進めていて、副業を容認する企業も増えてきています。
企業としても、ひと昔前のように「副業なんて禁止!文句があるなら辞めてしまえ」なんて横柄な事は言っていられなくなってしまいました。
企業で働く会社員を取り巻く状況も日々変化(悪化かどうかは一概には言えませんが)しています。
- 雇用が不安定化して今の職場に来年もいるかすら定かでない。
- 人手不足と言われながらも安いままの給料。将来的に給料が上がっていく見込みも薄い。
- 保険料や税率の負担ばかりが増えて実質の手取りは減少の一途をたどる。
- 年金受給年齢引き上げの影響を考えると、我々は高齢になっても働かないといけない可能性が高い。
特に「高齢になっても働かないといけない」という問題は言うほど簡単ではありません。
体があちこち言う事きかなくなってから二束三文の仕事に身を削るより、今頑張って少し多めに稼いでおく方が現実的だとする考えは概ね正しいと思います。
(しかも高齢になった時に仕事が本当にあるのか分かりませんから)
上記のような状況にあって、転職資金や不測の事態に対応する資金、果ては将来のための蓄えを本業の稼ぎだけで賄えるか不安を感じる人が多いのも半ば必然でしょう。
そういった不安を解消するために副業のニーズが強まってきているというわけです。
副業として稼ぐ方法はたくさん存在しますが、当記事では週末に登録制の派遣バイトをするという選択肢を掘り下げてみます。
そもそも登録制バイトって何をするの?
登録制バイトというのは派遣会社に登録したうえで、派遣会社から色んな現場の仕事をもらうという働き方です。
仕事の大半は倉庫で、ごく稀にイベント会場やオフィスワークもありますが、倉庫以外はあまりアテにしない方が良いでしょう。
※イベント特化の会社もあるようですが、当記事では特に触れません。
一定期間同じ現場に派遣される派遣社員とは異なり、登録制バイトは日々異なる現場にスポットで入るのが特徴です。
危険な作業とかないの?
作業自体の危険性は極めて小さいです。
あくまで派遣会社の人間として現場に入るため、高リスクの作業をやらせてケガでもさせようものなら現場の会社と派遣会社の間でとんでもない面倒事になるからです。
危険性はないまでも、普段あまりやり慣れない動きも多様するでしょうから、腰など痛めないように気を付けましょう。そこはさすがに自己責任です。
お給料は日払いなの?
お給料は本業と違い、日払い・週払い・月払いで選べることが多いです。この辺は説明会で確認してください。
本業のお給料で生活していける場合は無理に日払いを指定する必要もないでしょう。
日払いはその都度派遣会社に出向くことになって面倒ですから。
(派遣会社に出向く時に交通費がかかってしまうと、なおさらもったいないです)
週払いなり月払いなり、口座振込に対応した受取方法をオススメします。
仕事っていくらでも入れられるの?
勤務希望さえ入れれば土曜日曜どちらも仕事を入れることはできますけど、無理なさらないでください。
特に普段デスクワークで、運動する習慣もない方は注意が必要です。
無礼を承知で断言させていただきます。
あなたの体はあなたが思ってる以上に弱い!
とりあえず第二土曜と第四土曜といった感じで月2回ぐらいから試してみてはいかがでしょうか。
それで案外大丈夫だったら月3回、月4回を検討してみれば良いのです。
派遣会社に登録するにはどうしたら良いか?
派遣会社に電話して「登録したいんですけど」って言えば手慣れた感じで説明会の案内をしてくれるはずです。
説明会に出て、最後に登録手続きをすれば完了です。
業務について、給料支払いについて、勤務希望の登録方法など重要な情報が多いので説明内容はしっかり覚えておいてください。
会社員が週末バイトをするうえでの登録制バイトのメリット
登録制バイトのメリットを語るうえでの最重要ワードは「割り切り性能」の高さです。
割り切り性能が高いからこそ、会社員の週末バイトに向いている。私はそう主張します。
どういうことなのか、詳しく解説していきましょう。
登録制バイトはいつでも辞められる
いつでも辞められるというのは最大のメリットと言えます。
派遣会社に電話して「今日で辞めます。退会させてください。」なんて突然申し出ても普通に通ります。
といった場合にも柔軟に対応できます。一日だけ出て辞めても何ら問題ありません。
いつ辞めてもいいんだ、という気軽さで割り切ってバイトに臨むことができます。
登録制バイトは覚えることが少ない
人の記憶力には限りがあります。何でも無制限に覚えられるわけではありません。
我々は本業で脳を酷使して、色んなことを覚えたり処理しながら業務をこなしています。副業にこれ以上脳のリソースを使いたくないという方も多いのではないでしょうか。
登録制バイトでは複雑なマニュアルなどを覚えさせられることはありません。
その日限りのスポット要員が覚えられる程度のことだけ、その日限りの記憶として覚えておけば良いので気が楽です。
「もう本業だけで脳のキャパが限界だ!」という方でも、割り切って単純作業に臨むことができます。
登録制バイトは人間関係に気を遣わないで済む
登録制バイトでは人間関係がその日限りです。
(何度も行ってる現場では名前を覚えられることもありますが)
人間関係にエネルギーを消耗しないで済むので、割り切ってその日限りの仕事に臨むことができます。
登録制バイトはスケジュール調整しやすい
多くの場合、勤務の2~3日前に勤務希望を出せばOKなので、スケジュール調整の自由度はきわめて高いです。
一般のバイトみたいに「毎週〇曜日」のように決められていないし、月初めにシフト表を出したりもしません。
といった融通が利くため、本業優先・私用優先と割り切ってスケジュールを決めましょう。
※病欠でもない限り、さすがに前日や当日のドタキャンはNGです。
登録制バイトは嫌な現場を回避できる
いくつもの現場に入っていると、嫌な雰囲気の現場に当たることがあります。
横柄通り越して横暴な社員がいたり、ちょっとヤバめの人がいたり・・・
もしくは割に合わないぐらいキツい作業をやらされたという場合もあるでしょう。
そういう現場を次回振られた時は派遣会社に電話して他の現場に変えてもらうことができます。
理由をきちんと説明したうえで「他の現場がないならその日は私休みでいいです」ぐらいの事を言えば主張は結構通ります。
本業や一般のバイトでは考えられない要求ですが、登録制バイトではこういう要求もノープロブレム。
もちろん派遣会社も看過できないぐらいワガママ放題だと仕事を回してもらえなくなる可能性も出てくるのでほどほどに。
一定の拒否権を持つことで、もしも嫌な現場に当たってしまっても「今日はハズレ引いちゃったな。次回からココ断ろう」と割り切ってバイトを続けることができます。
登録制バイトは残業するしないを自分で決められる
作業状況によっては現場の社員に「今日残業できる?」と聞かれることがあります。
そういう時、もう少し稼いでいきたいなと思ったら自身の判断で了承できます。逆に帰りたいと思ったら状況に関係なく退勤できます。
残業する場合、もちろん残業分の時給は発生します。
現場の会社もまさか他社の人間にサービス残業なんてさせられないですから。
本業と違って「定時がくれば無関係」という立場ですので、どんなに火を噴いている状況でも割り切って「お疲れ様でーす」と言えるのは強みですね。
本業でも言えたらなぁ・・・
会社員が週末バイトをするうえでの登録制バイトのデメリット
登録制バイトは現場に適応しにくい
あちこちの現場に入れられるため「いつだって初めて!」みたいな新鮮な気持ちで作業ができる反面、仕事をマスターすることはできません。
色々覚えて軽快に作業できるようになったと思ったらもう定時。次回の現場でそのスキルは一切役に立ちません。
それは悲しい運命(さだめ)として割り切りましょう。
登録制バイトは一般のバイトと比べて稼ぎが良くない
総じて時給が安い傾向にあるというのが登録制バイト最大のデメリットです。
派遣会社の取り分があるのでどうしようもない理(ことわり)と理解しましょう。
参考までに私がやった時点(2015-2016頃)だと時給1000円にも満たない案件がゴロゴロしていました。
しかもほとんどの場合、交通費が出ないのですよ・・・
時給だけ見て「じゃあ一般のバイトの方がいいじゃん」と判断するのは早計です。
一般のバイトを会社員がやると色々問題が生じるリスクもあるでしょう。
などなど、前述のメリットの裏返しが起こってしまうかも知れません。これらは余計な消耗、余計な気苦労となり本業に影響を及ぼすリスクとなりうることを忘れてはいけません。
要するに一般のバイトは登録制バイトよりも時給は高い反面「割り切り性能」が低いのです。
どちらを選ぶにせよ、メリット・デメリットを天秤にかけて冷静に判断しましょう。
こういう人は登録制バイトに手を出さない方がいい
近くに物流の拠点となりうる場所がない
現場となる倉庫は多くの場合、物流の拠点となりうる場所にあります。
具体的には海沿いです。東京近辺の現場なんてだいたい東京湾に面したところですから。
どの辺の現場が多いか、説明会の時点で派遣会社の人に聞いてみましょう。
登録制バイトの大半は交通費が出ません。出ても500円とか、一部補助がいいところです。
往復の交通費で一時間分の時給が飛んでしまうようなところにお住まいでしたらやめておきましょう。
本業の定期券が一部でも使えれば交通費が削減できますので、その分収入が増えます。使えるものは何でも利用したいものです。
雑な労働環境に耐性がない
環境的に若干難ありの現場も少なくありません。
私は大して気になりませんでしたが、今までキレイなオフィスでしか働いたことのない人には精神的にこたえる場合もあるでしょう。
キレイ好きの度合いが強い人はやめておいた方がいいかも知れません。
プライドが高く、今さら年下にアゴで使われたくない
バイト=若者というイメージは登録制バイトには当てはまりません。普通におじさん、おばさんも従事しています。
現場の社員の指揮命令に従う以上、社員が年下だろうと(その日限りの)上司です。
20代の社員が50過ぎのおじさんをタメ口で注意している光景も珍しくありません。
本業でどんな役職についていようと、年齢がいくつだろうと、登録制バイトの前では皆平等!
「年下の人間は年上の人間のことを無条件に敬うべし」という考えの強い人はやめておいた方がいいかも知れません。
割り切ってナンボの登録制バイトですから、謙虚な気持ちは忘れないようにしたいですね。
まとめ
登録制バイトのメリット・デメリットと、手を出さない方がいい人について説明致しました。
最大のポイントは「割り切り性能」の高さにあると思いますので、そこをどう評価するかが判断の分かれ目になるでしょう。
会社員の週末副業の場合、最優先すべきは「本業に支障をきたさないこと」にあります。
本業に影響してしまうことをリスクとして捉えれば登録制バイトはローリスク・ローリターンと言えるでしょう。
バイトの話題は稼げる/稼げないに終始しがちですが、会社員のバイト探しはリスクとリターンをセットで考えたいものです。
会社員が本業への影響を最小限にしてバイトするという目的であれば、登録制バイトは大いにアリだと私は主張させていただきます。
最後に私からひとつメッセージを。
物流の世界の人手不足というとドライバーの事ばかりイメージしがちですが、倉庫の中の仕事も多くの人手を必要としています。
「ロボットが・・・」「AIが・・・」なんて浮ついた話はあまりにも無力です。そういった技術が現場に登場するまでどれぐらいの年数が必要なのか、見当もつきません。
私がネット通販大手の倉庫に行った時のこと。1フロアに登録制バイトが100人以上ひしめいていました。
良し悪しは別として、ネット通販大手の業務が機能するためにはその100人以上の労働力が不可欠なのです。
そんな物流の現場を支えるために労働力を提供するのはとても意義のある事なんじゃないかなと、私は思います。
以上、会社員のための登録制バイトの考察でした。
【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは
愚者小路です。
副業の話が出てきたので、もう一つ関連テーマを論じてみます。
「投資は副業なのか」
副業の定義がはっきりしないため独自解釈の域は出ませんが、私は「副業には当たらない」と認識しています。
ありがとうございます。
次回もまた見てくださいね。
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