【FOY2022】Fund of the Year2022発表!オールカントリー一強時代に投信ブロガーは何を思う?

【FOY2022】Fund of the Year2022発表!オールカントリー一強時代に投信ブロガーは何を思う? 【連載】愚者小路、渦中の現場から。
この記事は約6分で読めます。

2022/01/21、投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2022が開催されました。(以下FOY2022と表記します)

今回から投信ブロガーだけでなく、youtubeの発信者やtwitterの発信者からも投票を受け付ける形で大幅なテコ入れがありました。
結果は既にFOY2022の公式サイトで公開されているので一次情報は上記リンクをご覧ください。
今回はその結果に対する考察を述べていきます。

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はじめに

※FOYについて十分ご存知の方はスキップして解説からお読みください。

投資信託について一般投資家の目線でつねに考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーたち。投資信託の事情通である彼ら彼女らが支持する投資信託はどれか?

証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。

出典:FOY公式サイト

自ら投資を実践し、ユーザーとしての意見や解釈を積極的に配信する投信ブロガー。(わたくし愚者小路も)
投信ブロガーたちが金融機関にくみしない形で、良いファンドを選んで表彰していく。
これがFOYの在り方です。

愚者小路
愚者小路

私が知る限り、FOYは唯一ビジネス色の全くない投資信託ランキングです。

忖度なしで自由に投票した結果には一見の価値があります。
ただし「何だか分からないけどこれさえ買っておけば大丈夫(元本割れすらしない)なのね」と乗っかってしまうのは絶対NGです。

マーケットの世界に「大丈夫」なんて存在しませんので中身をきちんと理解してから購入するよう心がけてください。

FOYはじめての方はこちらの解説記事をご覧いただくと理解しやすいでしょう。
基本的に「定番インデックスファンド」「骨太アクティブファンド」「トレンド枠」のカテゴリに分類可能です。

FOY2022結果に関する4つの考察

【考察1】投資YouTuber部門、まさかの不成立

「投資YouTuberが選ぶ! Fund of the Year 2022」につきましては私たちの力が十分に及ばず、投票者数1、有効投票者数0となりましたので、結果発表は行いませんでした。

出典:FOY公式サイト

1票だけ投票があったものの、動画本数ゼロで全く情報発信していない人だったそうで有効投票者数ゼロに終わってしまいました。
youtubeで情報発信する人は動画作成に忙しく、付き合っていられなかったのかも知れないですね。
動画を頻繁に数多く発信していないと人気が出ない世界ですし。

もしくは気付かれていないとしたら、投資youtuberの中でも影響力の強い人にプロモーションしてもらう他ないでしょう。
ただし投資に限らず最近の動画配信は「業」としての色合いがあまりに強くなっているのでお金にならない案件に手を貸してくれる人がどれだけいるかはネガティブ視せざるを得ません。

【考察2】レバナスが一気にランク外。これがトレンド枠の脆さ

FOY2021では5位に入っていたiFreeレバレッジNASDAQ100(以下レバナス)がFOY2022ではベスト20から外れてしまいました。
おそらく今でも覚悟あるガチ勢は保有と積み立てを続けているでしょうが、FOYにおける人気は完全に剥落した形となりました。

毎回その時だけブームになっている「トレンド枠」があるのですが、その多くは一過性の求心力しか持たず、長期投資に資するファンドと評価される事はそうそうありません。

かつてグロ3を推して、ブームが去ったらレバナスを推した人が今何を推しているのか。
次なるトレンド枠の萌芽を期待していたのですが今回は珍しく明らかなトレンド枠はランクインしていませんでした。

S&P500連動のような米国株式のインデックスファンドは当初トレンド枠として認識していましたが、だんだんと定番インデックスファンドの一つになりつつあります。
米国株のパフォーマンスが陰り出すと急に吹き飛ぶ可能性はありますが。

個人的には次にトレンド枠に入り得るとしたらS&P500配当貴族指数に連動するファンドが濃厚かなと考えています。
景気後退からの株価調整が想定される場面では配当のニーズが増してくるでしょうから。
(是非はここでは論じません)

【考察3】新興国への冷めた視線が顕著

FOY2022では新興国株式ファンドは20位にeMAXIS Slim新興国株式インデックスがランクインしていたのみ。
2022年はロシアの問題や中国経済の頭打ちによる懸念から、新興国への投資があまり評価されなくなっているようです。

新興国を特別持ち上げる理由はないが、全世界株式で組み込まれる程度ならあっても良いだろうというのがおおよその空気感ではないかなと感じました。

この結果を見て
「新興国とかオワコンじゃん。誰が買うのよ?」と解釈するか、
「皆がオワコンだと思っているなら仕込み時なんじゃないか」と解釈するか。

あなたはどちら派でしょうか。
私の考えはわりと後者に寄っています。

流行に一緒に乗っかるのが正解とは限りません。
優等生がゆえに過大評価された米国株式、様々な問題で過小評価された新興国株式。
どちらの伸びしろが大きいか、悩みところですね。

【考察4】オルカン一強時代への疑問符

FOY2022観覧前から私は「どうせ一位はオルカンでしょ?」と思ってましたし、実際にその通りの結果でした。
2位と倍以上の差を付けた圧倒的一位なのでそうそう覆りません。
低コストで全世界に分散投資するとしたらオルカンが最適解となるでしょうから。

しかしこの状況が好ましいとも限らないのもまた事実。
競争相手がおらず殿様商売状態になってしまうとサービスのブラッシュアップ(運用の最適化や低コスト化)の機会が損なわれます。

たとえば携帯電話の会社がNTTドコモのみだったら今のようなサービス価格水準はあったでしょうか?
おそらくもっと独裁的な価格設定になっていたのではないでしょうか。

投信ブロガーたちの投票コメントにも商売敵の不在を危惧するものが多々ありました。
オルカンと切磋琢磨していってほしいのであえて他の全世界株式ファンドに投票、といった具合です。

これは非常に難しい問題です。
商売敵があまりに増えすぎると規模の利益が働かなくなってほとんどのファンドで低コスト化が実現できなくなってしまいます。
一強だとある種の独裁化を招いてしまいます。
前述の携帯電話会社の例みたいに3社ぐらいで競いあっているのがバランスいいのかも知れません。

さいごに

FOY2022の結果について4つの考察を述べました。

最後に考察とは別にFOYを取り巻く状況について述べさせてください。
今回の投信ブロガー有効投票数は135票。
FOY2021では180票。
FOY2020では185票。
FOY2019では222票。

そう、徐々に投票数が減っているのです。

発信メディアの多様化によりブログ以外の選択肢が出てきた影響でしょう。
今後もイベントの存続を願うのであれば、ブロガー一人一人がブログ存続と投票を継続していく事が重要です。
もちろんそれだけでなく今回不成立だったyoutuber枠の投票も必要になってくるでしょう。

運営委員会だけでなく私たちも「存続のために何ができるか」を考えなければなりません。

※当連載のまとめ記事はこちら
【連載記事一覧】愚者小路、渦中の現場から。

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コメント

  1. 佐藤C作 より:

    SOMPO123って、どのカテゴリーなんでしょうね?
    ・実質インデックスファンドじゃないの?
    ・インデックスファンドを下回る低コストを実現した挑戦的アクティブファンドでしょ?
    ・ぽっと出のトレンド枠じゃん?そのうち消えるっしょ?

    • 愚者小路 より:

      カテゴリとしてはアクティブと解釈しています。
      123銘柄の構成がパッシブ的であればアクティブでもインデックスでもなくパッシブ運用のファンドという事になりますが、123銘柄の構成基準など細かい事はよく知りません。
      ひとまず運用会社自らがアクティブと宣言しているので私はその分類を正とします。

      保有者目線で啓蒙を続け、長期で頼れるファンドとなれば「骨太アクティブファンド」としてランクインする事になるでしょう。
      何かの拍子に神輿に担がれて人気化するのであれば「トレンド枠」でしょうね。
      FOY的には同ファンドはまだ「どちらでもない」状態ではないかと思います。