3年間のコロナ騒動で得た糧もあったろう
さて、ようやくアフターコロナ呼ばわりしても怒られないであろう時期になってきました。
とはいえ異論反論あってもいいし、怒る人は怒ってても良いでしょう。
その辺ひっくるめて個人の判断に委ねる時期です。
ここ3年ほど色々と大変な思い、不安な思い、イヤな思いをされたでしょう。
本当にお疲れ様でございました。
しかし世の中、純度100%混じりっ気なしの不幸なんてそうそうないもので、この騒動があなたにとって糧となった部分もあったのではないでしょうか。
中にはこの騒動が投資を始めるきっかけになった、なんて人もおられるでしょう。
今回は最近投資を始めた人やこれから始めようか考えている人に朗報をお届けします。
一連のコロナ騒動はあなたのリスク意識を研ぎ澄まし、本来であれば投資を初めてから試行錯誤&右往左往してようやく身に付くレベルの投資の神髄を知らず知らずに身に付ける事となったのです。
「いやいやそんな神髄なんて身に付けた覚えないし」とおっしゃるあなたに、3つの神髄を説明していきます。
人類がコロナ騒動で獲得した3つの神髄
「主語がでけぇよ話がでけぇよ」のツッコミ上等だぁ!
希望に満ちた話はスケールでっかく語ってみよう!
神髄その1:本業一辺倒リスクの気付き
コロナ騒動初期、多くの企業や店舗が休業を余儀なくされました。
当たり前に仕事をして、当たり前に給料をもらう。
それをノーリスクと錯覚するぐらい慣れてしまったビジネスパーソンに、本業一辺倒スタイルが揺らぐ恐怖が突き付けられました。
そう、実は多くのビジネスパーソンは無自覚に本業一辺倒リスクを背負っていたのです。
盤石だと思っていた足元が脆弱に満ちていたと気付いてしまった衝撃は筆舌に尽くしがたいものだったでしょう。
結果として一大副業ブームが起きたのは記憶に新しいかと思います。
加えて、副業に限らず収入獲得手段を複線化しておこうと投資ブームにも火が付きました。
(特殊な相場環境に助けられたのも大きいでしょう)
来年、いや来月の今ごろ、もしかしたら無職になっているかも知れない。
そんな本業に100%BETしている事が本当の本当に「堅実」ってやつなのか?
あなたは気付いてしまいました。そして、目覚めてしまいました。
これが投資の神髄の一つ。
集中投資に対する健全な危機感です。
「意志あるところに道は開ける」とはよく言ったもので、裏を返せば何の意思もないところに道を開くモチベーションなんて起こり得ません。
コロナ騒動で得た健全な危機感こそ、投資の海を渡り切るために必要な基本のマインドセットなのです。
神髄その2:リスク受容の考え方
リスクマネジメントの世界ではリスクの対処法を4つの選択肢に分類しています。
回避、低減、受容、委譲です。ここでは回避と受容についてのみ話します。
コロナ騒動初期、大規模な自粛が行われました。
これはリスク回避に相当するもので、感染リスクの要因がそもそも発生しないようにしたのでしたね。
当時の判断の評価は人それぞれですが、私は「それしか選択肢なかったよな」と感じています。
なぜなら初期はリスクの大きさが不明だったからです。
現実的にはリスク回避一択しか選べない状態だったのではないでしょうか。
実はこれ、投資のセオリーにも通じています。
「中身が分からない金融商品は買ってはいけない」
一度は聞いた事あるでしょう?
「中身が分からない」は「リスクの大きさが分からない」とイコールです。
リスクの大きさが分からない金融商品があなたの目の前にあったらどうしたらいいでしょうか?
失礼、聞くまでもなく回避一択ですね。
少し時を経て、当初は見を決め込むしかなった自粛局面から、次第に外に出る人が増え始めました。
高齢者でなければ、もしくは基礎疾患がなければ全てを犠牲にしてまで回避するほどのリスクでないと知ったからですね。
これこそがリスク受容。
そしてリスク受容を選択するには、何よりリスクの大きさの把握が欠かせないわけです。
中にはそれを「気のゆるみ」「無責任」と揶揄する人も少なからずいました。
そういう人はだいたい
- リスク回避期からリスク情報のアップデートができていない
- リスク許容度が極めて小さい
- リスクがゼロでないと気が済まない人
のいずれかだったはずです。
良い悪いの話ではなく、必要以上にリスクを忌避しがちな人は投資にも向きません。
そういう人はだいたい
- 投資はギャンブルという価値観がずっとアップデートされない
- 価格変動は一切許容できない
- 確実に儲かる話じゃないと納得できない
のいずれかでしょう。
話を戻して、今普通に外出しているあなた。
無自覚かはさておき「リスク受容」を選択できています。
リスクの大きさを総合的に判断したうえでリスクテイクするか決めるたいへん高尚な思考プロセスです。
その思考プロセスこそ投資の神髄の一つ。
リスク評価からのリスク受容です。
リスクの現実と向き合ったうえで受容できる芯の強さが投資家に求められているのです。
神髄その3:人のリスクの恐ろしさを知る
世の中厄介な人は一定数いるもの。
コロナ騒動下ではそれをあらためて実感した人も多かったのではないでしょうか。
特に注目されたのは自粛警察・マスク警察といった人達。
当時のニュースから一例を挙げてみましょう。
マスクしていないと注意したらスプレーかけられ 男逃走
3日午後0時40分ごろ、東京都千代田区の東京メトロ半蔵門線九段下駅で、「利用客の男性が催涙スプレーをかけられた」と110番通報があった。
警視庁麴町署や東京メトロによると、半蔵門線のホームで、40代の男性がマスクを着用していない男に注意したところ、もみ合いになり、男が男性に催涙スプレーのようなものを吹きかけたという。男性はその後、半蔵門線で隣の半蔵門駅まで移動し、駅員に被害を訴えた。病院に搬送されたが軽傷とみられるという。
出典:朝日新聞デジタル
半蔵門線ホームでマスクしろと注意したところ、もみ合いになったうえに相手(ノーマスクの人)から催涙スプレーのようなものをかけられたと。
ノーリスクで己の正義を相手に振るえると思ったら返り討ちにされてしまったようですね。
真に感染リスクを問題視しているのであればいちいちマスク非着用者に絡んで無駄口を開かせる事自体、ひどい矛盾と言わざるを得ません。(最大の矛盾はそれだけリスク視していながら外に出ている事)
その人の中で感染リスクばかりを過大評価して、他者に返り討ちにされるリスクを過小評価した形であり、認知が歪むとリスクをフラットに評価できなくなる事例のお手本だと言えます。
私もけっこう長くマスクを付けてきました。
それは感染対策ではなく厄介な人対策であったと白状します。
通勤電車の無数の隣人の中に厄介な人が一定数いる事ぐらいコロナ騒動前から経験的に知っていたから、防犯アイテムの一つとして身に付けていたのです。
怒髪天の曲から実にしっくりくる一節を引用します。
熱帯雨林をかき分けて 未知なる生物探すより
出典:怒髪天「日刊大冒険」(youtube)
都会じゃ隣に座ってる アンタがよっぽど底知れぬ
「厄介な人ってどこにでもいるし、いたらいたでディスタンスを取らなきゃね」
コロナ騒動下で学んだこの教え、当然ながら投資にも大いに活きます。
投資の世界にもいるのですよ、厄介な人が。
人のリスクはけっこう大きいくせに、リターンに寄与するリスクではありません。
他人は正しく恐れよう。ディスタンスに気を付けよう。
これが投資の神髄の一つ。
他人に対する健全な猜疑心です。
投資において人のリスクを防ぐワクチンは「自分で考える事」。
事実やデータに基づいて自分でロジックを立てる。
これしかありません。
さいごに
これから投資を始める人も、既に投資を始められた人も、コロナ騒動でどんな糧を得たか再確認してみましょう。
それはきっとあなたの投資ライフの役に立ってくれるでしょう。
いっぱいイヤな思いをしたんですから、今後に役立つ事の一つや二つなかったらやっていられないでしょう?
コロナ後の人類は投資に必要な神髄を既に3つも習得済なのです。
「喉元過ぎれば」でキレイさっぱり忘れてさえいなければ、これらのスキルをいくらでも発揮できますよね!
・・・・・・できますよね?
【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは
愚者小路です。
国内株式、先進国株式、新興国株式の配分割合をGDP比率に維持する世界経済インデックスファンド。
目論見書にはそれぞれのGDP比率が載っているため私は定点観察対象としています。
2022年版の比率が更新されたので一緒に確認してみましょう。
ありがとうございます。
次回もまた見てくださいね。
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