
コロナウイルス対策として発令された緊急事態宣言が解除されて3か月。
ワクチンの普及にも至らない中、各地でクラスター感染が報告され、依然として気が抜けない状況が続いています。
なお本日の感染者数は・・・
なんてテレビ報道にも飽きてきた人も増えてきたのではないだろうか。

とは言え「コロナのことさえ映しておけば数字稼げるんだからチョロいもんだ」とばかりに不安を煽ってきたテレビですら、最近はコロナ報道の優先度を格段に下げている。
熱中症、首相の辞意表明、台風など他のアツいニュースが入ったら容易にかき消えてしまう程度のトピックに落ち着いてしまった。
テレビの中の人も、視聴者が「コロナパニック⇒コロナ疲れ⇒コロナ飽き」に移行しつつあることは重々承知しているのだろう。
今回は東京の銀座エリアの様子から、人々のコロナ感染に対するリスク許容度を現場から探っていく。
既に開き直って普通に活動しているか、コロナを警戒してほとんど経済活動が機能せずにいるか、一緒に確認してみよう。
【いきなり結論】銀座エリアの人々はコロナリスク許容度を再構築しつつある
結論を急ぐ人もいるだろうから、書く順序を少し変えよう。
銀座エリアの日本人はもはや普通に出歩き買い物や食事を楽しむようになっていた。
一方、消費活動のキーパーソンたる外国人のほとんどは姿を消していた。
中国・インド・台湾・韓国やその他欧米諸国に対する入国制限がかかっているからだ。

店舗や施設の様子を見ていると、ソーシャルディスタンスに対する意識が顕著に薄れてきていることが分かった。
エスカレーターで間隔が空いていなくても皆平然としているし、行列がギッチリでも利用客が不快や不満を露わにすることはない。
店舗によってはスタッフ自らグイグイ距離を詰めてくるシーンすらあった。
それだけ銀座エリアの人々はコロナ感染リスクに対する評価を下方修正しつつあるのだろう。
(そうでなければ今でも皆自主的にステイホームしているはずだ)
もともと感染拡大初期に社会全体でコロナに対するリスク評価が特大だったのは、その影響が未知数で「ひとまずリスク特大」と仮決めして見を決め込むしかなかったからだ。
ところが次第に国内での感染状況が明らかになってきた。
- 大半は感染しても無症状
- 国内では死亡者数が1300人程度(2020/09時点)
死亡者数の程度で言えば通年で概算したとしてもインフルエンザ死者数(年間3000人強)や交通事故死者数(年間3000人強)より少ないのだ。
「インフル死が怖いから外に出ない」「交通事故死が怖いから(略)」という選択をする人がどれだけいるだろうか。
この事実は人々のコロナリスク評価を妥当かつ現実的に下方修正させるには十分だったのだろう。
多くの人々に決して油断ではない、コロナリスク許容度の妥当なアップデートが起きたのだ。
株式マーケットが市場参加者全員のリスク評価の総和で形作られているように、銀座というリアルマーケットもまた参加者全員のリスク評価の総和で形作られている。
こうして銀座はコロナリスクの軽減と受容をハーフ&ハーフで推し進める形で経済のギアがゆっくり回り始めたのだろうと推察した。
「外出なんてけしからん!」と憤慨する人がいようと、この後レポートする様子こそが銀座エリアの現実である。

詳細な様子が気になる方はもう少しお付き合いください。
今回の取材マップ。銀座~有楽町エリアにかけて

歌舞伎座をスタートし、中央通りを抜けて有楽町駅まで向かった。
銀座と言えば「夜の店」も有名だが、そういう店には立ち寄らない。
取材予算をぶっちぎってしまうし、そういう店の普段の様子を知らないので私には語りようもないからだ。
歌舞伎座には高齢者の姿がちらほら

歌舞伎座では既に公演は再開していた。
入場については「お約束」となった注意事項が書かれている。

「観劇内でのお食事はご遠慮ください」の注意書きに注目。
要は観劇のお供である「幕ノ内弁当」の禁止だ。
歌舞伎座タワー地下には弁当屋があったはずだがどうなっているだろうか・・・
地下に降りると弁当屋は営業していた。
が、もうすぐ開演30分前になろうというのに客の姿はない。
確かに、観劇の前後に食べれば良いのなら弁当でなくとも食事処には困らない。
公演再開で華やかに活気づく売店エリアにセピア色の一角を見つけてしまったようで、いたたまれない気持ちになった。
開演30分を切ったところで歌舞伎座のメインエントランスに戻ると、客が続々とやってきた。
しばらく観察しているとその大半は高齢女性。
60代ぐらいと思しき女性がスタスタ歩いて列に並ぶ。
70代ぐらいと思しき女性が杖をつきながら列に並ぶ。
80代近くと思しき女性が家族に手を取られ列に並ぶ。
同じく80代近くと思しき男性は杖を抱え車いすで、家族に押されて入場している。
一般的に高齢者はコロナ感染した際、重症化する可能性が大きい。
(言いたくはないが、死亡率も高い)
若者だけでなく一部の高齢者にもコロナリスク許容度のアップデートが行われつつある。
銀座で最も平均年齢が高いであろうスポットから、高齢者のコロナ意識の現実が垣間見えた。
パチンコ屋が銀座で最もディスタンス確保されている皮肉
かつて一部の店舗が休業要請を無視して各自治体と世間から猛バッシングを浴びたパチンコ業界。
今はどうなっているのか、歌舞伎座からほど近いパチンコ屋にお邪魔した。
細かい場所は伏せるが、銀座にもパチンコ屋は存在する。
一応補足しておくと、この店舗は休業要請無視の件とは関係ない、まっとうなパチンコ店である。
中を一通り歩きながら客入りから稼働率を概算する。
稼働率はおよそ2割程度。(全パチンコ/パチスロ台のうち、客が遊技しているのが2割程度)
パチンコ自体が既に沈みつつある産業なので2割程度入っていれば概ね「マシな方」だろう。
客同士が少しずつ離れて打っていたのは偶然か、ディスタンスを意識してか。
別に店からの「一つずつ離れて打つように」などというルールの提示は見当たらなかったから自主的なものであるのは確かだ。
タバコが吸えないから、マスクを外す理由もきっかけもない
パチンコ屋というとタバコの煙とニオイが充満したイメージを持つ人も多いかも知れないが、驚いたことに全然臭くない。
実はコロナ禍の真っただ中、2020年4月から健康増進法の改正により喫煙所以外は全面禁煙となったのだ。
かくして客たちはパチンコ/パチスロを打ちながらタバコを吸うことができなくなり、マスクを外す理由を喪失した。
密とは真逆の圧倒的「疎」の空間でしっかりディスタンスを取り、誰もがマスクをしたまま無言で台に向かう。
台と台の隙間には出し入れ式のパーティションが設けられている。
(このパーティションは隣席からのタバコや音を防ぐためのもので、コロナ前から普通に導入されているものだ)
まるで諸悪の根源かのように叩かれていたパチンコ屋が、今は銀座のどこよりも感染リスクの低いスポットになっているとは。
別にパチンコ業界の肩を持つ気はさらさらないが、この皮肉な事実はありのまま伝えなければならない。
後編に続く
長くなりそうなので続きは後編へ。
後編では中央通りの百貨店や歩行者天国、有楽町駅周辺の様子をレポートする。
【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは

愚者小路です。
日本人は普通に出歩いているけど、外国人観光客がごっそりいない。
外国人いないと銀座ってこんな感じなのね・・・

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