今日は久々にマンガのご紹介。
ゆるふわ女子大生の狂気のFX戦記『FX戦士くるみちゃん』です。
ゆるい絵柄とは対照的なドロドロ展開、資産運用されている方ならFXの経験関係なしに引き込まれる事間違いなし。
基本情報
タイトル:FX戦士くるみちゃん
出版社:KADOKAWA
レーベル:MFコミックス フラッパーシリーズ
原作:でむにゃん
作画:炭酸だいすき
コミックスは2023/11時点で5巻まで発売中。
ゆるふわ女子の楽しいFXマンガだよ!?
神様 お願いします・・・
このお金はダメなんです・・・
このお金は絶対溶かせないんです・・・!叶うなら
時間を巻き戻してください
なぜ人はその瞬間になるまで 絶望の際に立っていることに気付けないのだろう
出典:「FX戦士くるみちゃん」第1話より
第1話の最初の2ページから一部引用しました。
なんともFXマンガらしい始まり方ですね。
※amazonのリンクからでも1話の半分ぐらい試し読みできますが、ComicWalkerのサイトでは2話まで無料で読めます。
簡単なあらすじ
主人公くるみが中学3年の頃、母がFXで2000万円もの損失を負ってしまった。
父に発覚するのを防ぐため母は「私の責任だから」と朝から晩まで必死に働いて損失を埋めようとした。
父が単身赴任で家を空けていたから出来た事だが、幸か不幸かで言えば発覚していた方がまだ「幸」だったのかも知れない。
FXの損失とそれを埋めるための過重労働で母の心身はとうに限界を迎えていた。
ふとした口喧嘩からのくるみの一言で吹っ切れてしまったのか、母はついに己の命を絶ってしまったのだ。
時は流れ、20歳を迎えたくるみはFXの口座を開設。
バイトで貯めた30万円を元手に母の損失2000万円をマーケットから取り戻すと決意したのだった。
取り戻せたとて、最も失ってはいけなかった母の命は戻ってこないが・・・
ゆるふわ萌え系タッチが苦手?ならむしろGOだ
「FX戦士くるみちゃん」はどんな話か、と問われれば私はこう答えます。
美少女がキャッキャウフフとFX沼に沈んでいく様を他人事始点で楽しめる作品です。
既に試し読みされた方には言わずもがなでしょう。
萌え属性のかなり強めな可愛らしいタッチの美少女コミックです。
このタッチがお好きな方はストレートに楽しめるでしょう。
ただこういうタッチがちょっと苦手だなという方には「むしろGOだ」と申し上げたいです。
原作者のでむにゃん氏がつづる物語は、FX未経験であってもそのどん底具合がありありと感じられるだけの闇属性を秘めています。
にも関わらずその絵柄は場違いなまでに可愛らしく、違和感は不可避でしょう。
私も最初は作画の炭酸だいすき氏の描画には違和感を覚えていました。
美少女の可愛らしいしぐさだけ描いていたいタイプの漫画家さんなんだろうなとすら思っていました。
いや、すいません過去形じゃなかった。偏見を百も承知で今でもそう思っています。
もうちょっと暗澹を感じる絵を描ける人の方が良かったのでは・・・?
ところが読み進めているうちに私の脳にアップデートがかかり、このキャスティングの真意に気付いてしまいました。
FXのドロドロ、いや人の欲のドロドロを場違いじみた萌え系ゆるふわ美少女で描くからこそシュールな悪夢の様相が際立つのだと。
まるで激辛ショートケーキのようにあなたの直感をグチャグチャにするシュール。
奇妙だけど、やめられない止まらない。
彼女らの愚かしさがきっとあなたの糧になる
物語に登場する女の子は4人。
そのうち道化枠は主人公くるみ含む2人で、作中は絶妙通り越してぶっちぎり愚かしい立ち回りを見せ、自分で自分を追い込んでくれます。
道化枠の彼女らが常に地獄のフチ子さんでいてくれるおかげで連載は続いているわけですよ。
(打ち切りになったらそのままブチッと奈落に落ちていくんだろうなぁ・・・)
特に道化枠の2人が相場に振り回される心理描写は秀逸。
マーケットによほどコテンパンにされた経験がないと絶対に表現できない、追い詰められた人間の稚拙な思考が緻密に描かれています。
ネタバレを防ぐためその愚かしさをふわっと例示すると
- 感情ファーストで売買判断下してあとから正当化
- 自分に都合のいいシナリオを相場に投影する
- ポジションを崩したくない一心で絶対手を付けてはいけないお金に手を伸ばす
特に無根拠で「上がったんだから次は下がるはず!」といった稚拙な相場予想なんかはFXに限らず陥りがちな思考のワナ。
上がり過ぎたら下がるのは概ね正解だけど、それがいつ/どの程度下がるのかが分からない以上、その理屈に利用価値なんてないんですけどね。
この作品はFXのマンガではあるけれど仮想通貨だって株式だって、もっと言えば投資信託でさえも例示したような愚かしムーブをしてしまう人は一定数いるもの。
彼女らのどうしようもない愚かしムーブをあなたは指さして笑えるでしょうか。
己の内にも似たような思考があれば彼女らを笑えないかも知れません。
他人の失敗や勘違いは他人の成功よりも時に多くを学べるものです。
他人の成功の多くは再現性が乏しいけれど、他人の失敗にはメチャクチャ再現性ありますから。
そういう意味で、この作品は全ての資産運用者に捧ぐ教本であると言っても・・・過言かなぁ、過言かぁ。
さいごに
「FX戦士くるみちゃん」の魅力、そしてFXに限らず多くの投資家の糧になり得る事を解説しました。
2023/11現在、連載継続中で私にも最後がどうなるかは分かりません。
でもFXで大金持ちになれてめでたしめでたし、みたいなハッピーエンドになりそうな予感は全くしません。
いいとこ「これだけ気苦労背負って結局トントンかい!」ぐらいのオチが考えうる最高のハッピーエンドかなと思います。
ぜひ私と一緒に彼女らの愚かしムーブの帰結を見届けていきましょう。
以上、「FX戦士くるみちゃん」の紹介でした。
【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは
愚者小路です。
昨今インデックスファンドの長期的な優位性はだいぶ知られるようになりました。
ではインデックスファンドのシェアは拡大しているのか、拡大しているとしたらどの程度か。
投資信託協会のファクトブックから解説してみます。
ありがとうございます。
次回もまた見てくださいね。
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