
今日の400字は2024年に起きた貸金庫窃盗事件の判決について。
別の事件だけど前回と同じ並びでお読みいただけると嬉しいです。
三菱UFJ銀行貸金庫を管理していた行員が顧客の資産を盗んでいた事件ですね。
私には昭和的な閉鎖主義が生んだ事件のように思えたので、これから仕組みの力でいくらか改善できる話かなと。
もしかしたらこういう「人の悪意が介入する余地のある仕事」ほどAIに置き換わるべきなのかも。
盗まれた人だけが被害者ではない

まず2026年3月に下された判決を引用しよう。
三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客が預けた金塊や現金を盗んだとして、窃盗罪に問われた元行員、山崎由香理被告(47)の控訴審判決が24日、東京高裁であった。
田村政喜裁判長は懲役9年とした一審・東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。控訴審で山崎被告側は一審に続き起訴内容を認める一方、反省の態度を深めているなどとして量刑不当などを訴えていた。
出典:日本経済新聞「三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗、元行員に二審も懲役9年 東京高裁判決」
田村裁判長は被害額が巨額で、被害者に落ち度はなく、外国為替証拠金取引(FX)や競馬の損失穴埋めのため犯行を繰り返した経緯にくむべき事情はないとした一審判決に「不合理な点はなく、是認できる」との判断を示した。
前回取り上げた野村證券の事件と比べてわずか半分の9年。
向こうと比べれば「盗み」しかないからこんなものか。
それでも9年は重い。
仮釈放なしとすると出てきた頃には56歳。
この経歴、この年齢での就職活動はかなりルナティック(超難度)だ。
FXと競馬の損失穴埋めに使っていたとの話だが、投機色の強いものは感情/判断能力/人間性がジャックされやすい。
この側面はいち投資家として強く心に刻んでおかないといけない。
追い詰められた人にとって一線を越える事などたやすいのだろう。
本件の被害者は資産を盗まれた人だけではなさそうだ。
金融庁は貸金庫での現金の預かりを事実上禁じるほか、入室する際に複数人による確認を行うなど業務見直しを要請。
出典:日本経済新聞「三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗、元行員に二審も懲役9年 東京高裁判決」
全国銀行協会は25年6月、会員銀行が規定を作る際の指針「貸金庫規定ひな型」を改めた。
詳細不明だが、相当なテコ入れを強いられた事は分かる。
現場で動く社員もその管理をする社員も、システムを改修するならエンジニアも、よほどため息交じりの「いらん仕事」を強いられただろうと勝手に想像してしまう。
陰で苦心する隠れ被害者にお悔やみ申し上げたい。

【次回予告】さーて、次回の愚者小路さんは

愚者小路です。
対面金融機関では相談できる事がメリットの一つと考える人が一定数います。
(決してメリットではないのですが、今はそこには触れずに)
しかし「相談できる=担当者に責任を負わせる事ができる」ではないのですが、それを理解したくない顧客もいるようです。
次回は「【Yahoo知恵袋より】まさに他責人間ギャートルズ?銀行員を信じて投資したのに!」です。

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